レリーズベアリングから異音が発生するのは86BRZのトラブルとしては定番ですが
そのまま乗り続けるとベアリングが破損しクラッチが切れなくなったり、滑りが発生して走行不能に陥りますので異変を感じたら早めの修理が必要です。
クラッチペダルを踏んだ時の症状は段階的に現れ、症状は以下の通りです。
1.「キコキコ」音がする。
クラッチペダルを踏んだ時に現れる初期症です。急いで対処する必要はありませんが、一時的にグリスアップで音を止めてもまた音が鳴り始めます。レリーズベアリング交換の準備を始めましょう。
2.「ゴーゴー」「ガーガー」音がする
エンジンがかかってる時にクラッチペダルを踏んでいる間、大きな音が発生します。至急レリーズベアリングを交換しましょう。
3.クラッチペダルが重くなる
クラッチペダルを踏み込んだ時に、重くなっているようでしたら至急修理が必要です。無理に使用し続けるとベアリングが焼き付きを起こして走行不能に陥る可能性があります。
4.シフトが入りにくい。滑りが発生する。
クラッチが完全にきれない状態や常に半クラ状態になっている可能性があります。末期症状ですので走行不能に陥る前に大至急レリーズベアリングとクラッチ交換を行なって下さい。
5.ギヤが入らない。動かない。
レッカーを手配して下さい。
今回お預かりした車両は、5番目のケースで自走する事が出来ず、レッカー搬送でのご入庫です。
分解してみるとベアリングが完全に焼き付き、破損してレリーズフォークも変形していました。
ロック状態のベアリングが当たり続け、半クラの状態が続いていたようでクラッチカバーのダイヤフラムが焼けて、色が変わっています。
もちろんクラッチディスクも完全にすり減ってしまい使用不可能ですので要交換です。
どうせクラッチ交換するなら強化クラッチにしたい!
という事で、お客様が選択されたのは
Ogura Racing Clutch ORC-309-SE
プレッシャープレートにクッショニング機構を
採用することで、半クラッチ領域を大幅に拡大
されています。
強化クラッチ特有の乗りにくさを解消し、
スムーズな半クラッチが可能となります。
セットのフライホイールに純正のパイロットベアリングを取付けます。
レリーズフォークも新品に取替え、トランスミッションを復元したら完成。
強化メタルクラッチ特有の「突然繋がる」という扱いにくさはSE機構によって緩和されていますが、、、
油断するとエンストです。
純正クラッチと比べるとダイレクトにクラッチが繋がるので、シフトチェンジが楽しくなります。
強化クラッチを経験すると純正クラッチには戻れないかもしれません(^^)